国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地 下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。
東南アジアの密林に棲息するという爬虫人〈ヘルビノ〉とは? 戦時中の日本で起こる未曾有の凄惨な事件の数々。現代ホラーの最先端を走る著者の最新作!
飴村 行(あめむら こう、1969年 -)は、日本の小説家。福島県出身。東京歯科大学中退。2008年、『粘膜人間の見る夢』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞しデビュー。続く『粘膜蜥蜴』でも『このミステリーがすごい!』などで高い評価を受けた。