帰宅途中、浮浪者ふうの男に襲われた葉子は、無我夢中で抵抗した結果、男を死に至らしめてしまう。婚約を間近に控えた彼女は、悩んだ末、死体を海に捨てることを決意。完璧に隠蔽をやり終えたはずだったが、翌日、友人の結婚式で彼女に声をかけてきたのは、昨日殺してしまったはずのあの男だった…。旧家に伝わる鏡が、ひたひたと街を浸食する。
飛鳥部 勝則 (あすかべ かつのり、1964年10月18日 - )は日本の小説家。新潟県出身。新潟大学大学院教育学研究科修了。
1998年、第9回鮎川哲也賞受賞作『殉教カテリナ車輪』でデビュー。