「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材…。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは。
麻耶 雄嵩 (マヤ ユタカ)
1969年、三重県生まれ。京都大学在学中は推理小説研究会に所属。91年、島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎諸氏の推薦を受け、新本格派第二世代として『翼ある闇』でデビュー。華麗な登場人物と大胆な結末で読者に驚きを与えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)