推理番組『私だけが知っている』の脚本を原形とする「棄てられた男」「青嵐荘事件」、鮎哲版“ジェームズ・フィリモア氏の事件”でもある「人を呑む家」や、私立探偵が直接関与しない異色の表題作など六編。安楽椅子探偵譚、三番館シリーズ第4集。
1919年生まれ。本名・中川透。50年に『宝石』100万円懸賞 の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一 席で入選、56年に講談社「書下し長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選して 鮎川哲也と改名。60年に「憎悪の化石」と「 黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を、2001年に第1回本格ミ ステリ大賞特別賞を受賞。2002年逝去。没後、第6回日本ミ ステリー文学大賞が贈られた。