2015年2月20日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷で13歳の少年の全裸遺体が発見された。
事件から1週間、逮捕されたのは17歳と18歳の未成年3人。
彼らがたった1時間のうちに、カッターの刃が折れてもなお少年を切り付け負わせた傷は、
全身43カ所に及ぶ。そこにあったあまりに理不尽な殺意、そして逡巡。
立ち止まることもできずに少年たちは、なぜ地獄へと向かったのだろうか――。
著者初の少年事件ルポルタージュ。
■インターネットを中心に巻き起こった「犯人捜し」の狂騒
■河川敷を訪れた1万人近くの献花の人々の「善意」
■同じグループで「居場所」を共有していた友人たちの証言
■遺族の「涸れることのない涙」――浮かび上がる慟哭の瞬間
「遼太君、君はあの夜、血だらけになった体で闇の中を這い、どこへ向かおうとしていたのだろうか」
1977年、東京都生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材、執筆活動をおこなう。
著書に『神の棄てた裸体』『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』(新潮文庫)、『感染宣告』(講談社文庫)、
『物乞う仏陀』『アジアにこぼれた涙』(文春文庫)など多数。
事件ルポとして虐待事件を扱った『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』(新潮社)がある。